ナショナルチームに入ってから、数多くの遠征をこなして来ました。 国内、海外を含めて飛行距離を足していったら、地球の周りを何十週かしていると思います。
飛行機に乗ると、隣席になった人と話をすることがよくあります。 遠征中だと言うと、ほとんどの人に 「いいね、タダでいろいろな所へ行けて!」 と言われますが、アナタ、そんな気楽なもんではないのですよ。 観光ではなくて、試合をしに行くのですから、そのための準備を整えなくてはなりません。
まずは時差ボケとの闘い。 体が 「まだ眠いぞー」 と言ったって、現地時間に合わせて起きて、練習をする様子を想像してください。 最初の2〜3日は、もうほとんど “ゾンビ状態” です。 頭が 「ボー」 っとしていても、気を遣うのが飲食物。 もう旅の常識とも言えますが、 「生水は飲まない」 のが鉄則です。
メキシコシティーに行ったとき、当然のごとく私は、水ではなくコーラを注文しました。 “氷”入りのコーラは確かに冷たくておいしかったです、その時点では・・・。 もう言うまでもありませんが、その日の午後、私の自慢の鉄壁の胃が、姿を変えた水の前にもろくも崩れ去ったのです。 ビギナーの方、充分ご注意ください。
まあいろんなことがありますが、遠征での一番の楽しみは、通訳兼世話係の人と共有できる時間があることです。 たまに、どうしてこれで通訳と呼べるのかと思うぐらいヒドイ人がいますが、それはそれで何とか意味が通じるからおもしろいものです。
私たちは海外へ出ると、ほとんどがホテルでの食事になります。 こればかりだと飽きてくるので、チーム内からブーブー文句が出そうになるころを見計らって、世話係の人たちも交えて、お勧めのレストランに食べに行くことがあります。
ビールなぞを飲みつつ、 ショッピングのコツを聞いたり、アメリカに対する印象や地元での話題、ポピュラーなスポーツなどなど、新聞やテレビからだけでは得られない生の声を聞いていると、あっという間に時間が過ぎていってしまいます。
もし、みなさんが海外に行って、現地の人にお世話になるチャンスがあったら、ちょっとお土産に費やす分を減らして、2杯分のコーヒー代にでもまわしてみてください。 旅の思い出に、もうひと味違ったステキな刺激が加わることを保証します。
(デイリースポーツ'97. 7. 29)
ヨーコ・ゼッターランドのスポーツ東西見聞録より
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