今年の3月に生まれて初めて生で相撲を見てから、すっかりファンになってしまった私です。 特に攻めから守りへ、守りから攻めへの切り替わりの速さを見ていることが楽しく、一瞬にして、試合の形勢が逆転してしまう様子にハラハラ、ドキドキさせられます。
秋場所は横綱貴乃花関の優勝で幕を閉じましたが、表彰式の中継をテレビで見つつ、貴乃花関が何故強いのかについて考えていました。 絶対の決め手を持っているとか、良い技術を身につけているとか、要因はいくつかあると思うのですが、やはり怪我が少ないということが強さの秘けつのひとつではないでしょうか。
「無事、これ名馬」
という言葉がありますが、スポーツ選手は体が資本です。 そのうえプロフェッショナルとなれば、競技生活を長く続けて結果を出し続けることが、自分の生活を支えるわけですから、まさに自分の体は大切な商売道具なのです。 選手自身が気をつけられること、例えば食事のとり方とか、睡眠を十分にとるとか (もちろん?ハメをはずすこともありますが) 基本的なことは色々とあります。 でもハードな練習や試合をこなしていくうちに、自分が自覚している以上に精神的なストレや肉体的疲労がたまっているものなのです。
アメリカのスポーツ界では、選手がこのような状態の時に重要な役割を果たす人たちがいます。 日本でも最近、その数は少しずつ増えてきましたが、まだまだ足りません。 その人たちは 「アスレチックトレーナー (AT)」 といって、決められた学科と臨床経験をつみ、アメリカで認定された資格を持った、スポーツ選手のコンディショニング作りのスペシャリストたちです。
日本でスポーツトレーナーというと、テーピングを巻いたり、スポーツマッサージを施したりするぐらいの印象しかありませんが、アメリカではこれらの仕事に加えて、選手が怪我をした場合、その後の徹底的なリハビリテーションの指導や、栄養摂取面でのアドバイス、体力・筋肉向上トレーニングのプログラミング、そしていかにして試合に選手がベストコンディションで臨めるか、というピークのもっていき方など、幅広い分野での豊富な知識と経験が要求されます。
オリンピックチームやプロスポーツのチームにはもちろんのこと、どんな小規模な大学のスポーツプログラムの中でも、必ずといってよいほどATがいます。
来週は、もう少しATの重要性と日米のスポーツ科学の考え方の違いを書きたいと思います。
(デイリースポーツ'97.9.23)
ヨーコ・ゼッターランドのスポーツ東西見聞録より
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