アメリカに渡ってから4年になりますが、日本にいる友人たちには、「ホントにアメリカに住んでるの?」
と聞かれるくらい、よく日本に帰ってきています。
バレーボールの大会や休暇も含めて、多い年には4回から5回ぐらいになります。
大会の際は、いくつかインタビューを受けることがあるのですが、必ずといっていいほど、質問される項目があります。 それは 「アメリカのバレーと日本のバレーの大きな違いは何ですか?」
技術面や体力づくりにおいて、練習の仕方やトレーニング方法の違いなど、さまざまなことが挙げられますが、私はいちばん大きく違う点で、指導者の教え方の違いについて挙げました。
私がナショナルチームに入って間もないころ、試合に出場し、まずまずの結果を出してロッカー室に戻ろうとした時、監督に呼び止められて、次のようなコメントをもらったのです。
「あの場面でのトスのさい配は、とても良かったよ」
と。 いわゆるオホメの言葉をいただいたのですが、自分のやるべき当然の仕事をしたまでと思っていた私は、褒められて戸惑ってしまい、しかし、それと同時に少々照れくさく、また嬉しくもあったのを覚えています。
よく日本の高校生などの練習を見ていると、監督やコーチの人たちが、血管が破裂するんじゃないかと思うような勢いで、
「こんなこともできないのかぁ。 この役立たず!」
などと怒鳴っているのを見かけることがあります。 確かに毎日、繰り返し練習をしてもなかなかうまくならない選手を見て、歯がゆくなる気持ちは理解できるのですが、欠点を指摘するだけでは指導しているとは言えないと思います。 日本の場合、上達するための方法として欠点や不得手な部分を、たたいて修正していく傾向にありますが、アメリカの場合は、長所を伸ばせるだけ伸ばして、それで短所を隠しちゃお、 という方法です。
選手というのは、どんなレベルであっても練習や実戦を積み重ねていくうち、自分ができないことや、欠点がわかってきますが、なかなか自分の持っている良い点に気付かないことが多いものです。
そういう部分に気付かせてあげて、選手が自分自身に対して良いイメージを持たせることは、とても大切だと思います。 そしてこれは、気持ちの中に自信が芽生えることにつながってくると、私は思います。
もし将来、指導者になることがあったら、2割の短所より8割の長所に着目して、選手を育成するポジティブ法を実践してみたいと思います。
(デイリースポーツ'97.10.7)
ヨーコ・ゼッターランドのスポーツ東西見聞録より
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