いよいよ、日本シリーズがスタートしました。第2戦を終え、ヤクルト1勝、西武1勝。
今回、私が特に興味を持っているのは、両チームのキャッチャーです。 古田選手も伊東選手も大ベテラン。 キャッチャーは目立たないポジションですが、試合の勝敗を大きく左右する重要な役割を果たすことは、よくわかります。 相手方のバッターと微妙なかけひきをしながら、配球を考えるのは、そう簡単なことではありません。
私は基本的に他のスポーツを観戦する時は、ルールを覚えたりするよりも先に、自分と同じ役割を果たすポジションを教えてもらい、その選手の動きを見ることにしています。 そうすることによって、どのような時にどう動くのかがわかってきて、ゲームの全体像が見えて、面白く観戦できるからです。
私のポジションはセッターですが、野球で言えばキャッチャー、アメフトで言えばクウォーターバックと同じと考えてもらえればいいと思います。冷静かつ早い判断力、相手を読む力、そして経験がものをいいます。
日本一をかけたシリーズで、古田、伊東両選手がどのような巧妙なかけひきを見せてくれるのか、とても楽しみです。
さて試合の結果は、どちらかが勝って、どちらかが負けるもの。 私は今回、どうしてもヤクルトに勝ってもらいたい、と思っています。その理由は、ただひとつ。
野村監督の野球に対する情熱にほだされたからです。 2、3日ほど前、スポーツニュースで野村監督のインタビューを見ました。その時の回答の中で
「野球の奥義は、死ぬまでわからんだろうな。 野球のためやったら、命賭けても惜しくない」
と言われました。
よわい60、名監督と呼ばれる人が、まだまだ野球を学ぼうという姿勢をもち、野球のために死ねる、ときっぱり言わせるほどの情熱をもって、野球に取り組んでいるのかと思ったら、泣けてきました。
世の中に、スポーツの監督、あるいはコーチといった指導者と呼ばれる人たちは、たくさんいます。
でも、あふれんばかりの情熱をもって、現場にたずさわる人は、いったい、どれだけいるのでしょうか。
私自身、選抜チームに入ったりしたことがありましたが、よくスタッフから 「あいつは扱いにくい」 と言われました。でも選手である私にしてみれば、心を動かされない人に何かを言われても、どうして体を動かすことができるでしょうか。
人を感(ハート)で動かす野村監督率いるヤクルトの今後に、乞うご期待。
(デイリースポーツ'97.10.21)
ヨーコ・ゼッターランドのスポーツ東西見聞録より
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