ほんの1週間留守にしていただけなのに、日本はすっかり寒くなってしまいました。 一応?外国人である私は、日本での “ワーキングビザ” を取得するため、アメリカに一時帰国をしていました。
10月も末だというのに、程なくメキシコとの国境に近い、私が住むサンディエゴは、昼間は半そでで過ごせるほど暖かい所です。
日本のようにはっきりとした春夏秋冬を表す気温の変化はほとんどありませんが、秋口になると、空と海の色が少しずつ深みを増していき、太陽の光を反射して輝く太平洋を、岸の上からコーヒーを飲みつつ眺める午後のひとときは、まさに最高の至福、といったところ・・・。
季節の移り変わりに伴って、アメリカではスポーツの種目もシーズンの入れ替えがあります。 野球、バスケットボール、アメリカンフットボール、アイスホッケーが4大スポーツとして人気を誇っていますが、これがうまくローテーションして、一般庶民のもとへ、テレビを通して届けられます。 例えば、野球シーズンがワールドシリーズのクライマックスを迎えるころ、そろそろアメリカンフットボールのシーズンが始まる、といった具合です。
大学でも、スポーツはこのようにシーズン制を取り入れています。 大学はプロよりも規制が厳しく、NCAA(全米大学アスレチック協会)ルールによって、1種目の試合数や、練習可能日数が決められています。
学生の本分は勉学にアリ、というのがことの発端か定かではありませんが、このルールのおかげで、異なった種目で才能を同時に開花させる選手たちが少なくありません。
USAチームの元同僚で、96年の五輪で女子バスケットボールチームの一員に熱望されていた選手がいました。 彼女は大学時代に4年間、バスケットとバレーを続け、両方の種目で全米チャンピオンになり、次は両方のナショナルチームからラブコールがかかるなんて、私はただただ、そのスケールの大きさにア然としたのを覚えています。
それと同時に、チャンスが与えられたら、それをつかみ、とことんまで自分の可能性を追求しようとするどん欲な彼女の姿勢に感動しました。
限られた時間の中で上達するには、ことごとく無駄なものを省かなくてはならないし、不思議なもので、自分が打ち込んでいるものに対して、より一層の愛着心や執着心が芽生えてくるものです。
短期間に集中して競技を上達させ、しかも多様な選択肢がある。 まさに合理主義国アメリカの、シーズン制の美点だと思います。
(デイリースポーツ'97.11.04)
ヨーコ・ゼッターランドのスポーツ東西見聞録より
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