Atlanta 1996 that night,She has written on the back of her right hand ,in japanise "Make everything possible"
名選手になるより名監督になる方が難しい
成功への秘けつはトレーニング法


あー、終わってしまいました。 約2週間にわたって熱い闘いが繰り広げられた長野オリンピック。

大会開催前は、いまひとつ盛り上がりに欠けているのじゃないかしら、と少々心配しておりましたが、日がたつにつれて、日本勢の大活躍と共に、応援する側も活気づいていったのではないでしょうか。

このところ、不景気に加えて倒産、汚職、青少年の殺傷事件などといった、聞いていて気持ちが 「どよーん」 となるようなニュースばかりの中で唯一、明るい、スカッとする話題を提供してくれた選手たちに私は、心から拍手を送りたいと思います。

ひとつの目標に向かって、そしてゴールに向かってより速く、より高く、遠くへ突き進む姿の中に見えるものを、どのような言葉で表現したらよいのでしょう。
私は、私自身のボキャブラリーの中から 「自由」 という言葉を選びます。 人間が本能的な部分でおそらく、最も多く要求するもののひとつでありながら、社会という枠の中で生きていかなくてはならないがゆえに、最も手に入りにくいもの。

スポーツの世界では、たとえ10数秒の間でも、他の者が絶対に入り込むことのできない空間があるのです。 本人にのみ与えられた、誰にはばかることなく、自分を思いのままに表現できる自由な空間。
スポーツを見て数多くの人が涙するのは、競技自体の勝敗だけではなく、日々の生活の中で忘れていたものや、心の奥深くしまいこんでいたものとかが、何かの拍子で呼び覚まされて、共鳴することが多々あるからだと思います。
皆さんは、どうですか?

さまざまな種目があったオリンピックでしたが、私が最も感動したのは、何といっても 「平成の日の丸飛行隊」 のジャンプでした。
その中でも、原田選手の失敗といわれた1回目、そしてその後の2回目を飛び終えるまでの、気持ちの移り変わり、最後に飛んだ船木選手の心理状態を涙なくして聞くことはできませんでした。 岡部、斎藤両選手も合わせた4人のチームの気持ちも、痛いほど分かりました。
だれかの失敗を、だれかがカバーをする。 自分のベストを尽くしたら、後はチームメートに託さなくてはならないもどかしさ。

船木選手が 「4年前の原田さんの気持ちが、よくわかった」 という言葉のように、その人の立場に立たされて、初めてその人の気持ちが理解できる、など4人4様の金メダルに対する思い、そしてお互いに対する思いが、見事なまでに織り成されて、あのような素晴らしい結果が生まれたのだと思います。
それぞれの世界へ飛んだ4人がたどりついた先は、
一つしかない自由な世界だったのです。


(デイリースポーツ'98.2.24)
ヨーコ・ゼッターランドのスポーツ東西見聞録より

名選手になるより名監督になる方が難しい
成功への秘けつはトレーニング法

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