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本当は先週の続きとして、中国女子バレーボールチームの郎平監督についてもう少し深く、お話をする予定でしたが、私の身に起こったうれしい出来事をどうしても書きたかったので、今週は内容を変更させていただくことをお許し下さい。
「あー、もうホントに良かったっ!!」
と何度、このセリフを連発したことでしょうか。
3月8日、春の日差しの暖かい午後2時過ぎ、 約3ヵ月にわたって戦ってきた第4回Vリーグの頂点に、ついに、我がダイエーオレンジアタッカーズが立つことができました。
期間中、私にとって対戦相手との戦いだけでなく、他の多くの出来事とも戦ってきましたが、最大の難関は、自分自身との戦いでした。
フル出場で、長期間にわたるリーグ戦を経験したのは初めてのことだったので、自分の中に時折顔を出す、思いもよらなかった気持ちに直面した時に、身がすくむことが何度かありました。
ふとした瞬間に 「もう、明日は1本もトスが上がらないんじゃないか」 と思い、翌朝、ボールに触れてトスができるのを確かめるまで、いてもたってもいられなかった夜。
疲労のあまり、1歩たりとも、動くのがイヤで 「もしかしたら自分は、バレーに対する情熱がなくなりつつあるのか?」 と17年もの間、考えたこともなかったことが頭をかすめ、ガク然とした日。
気持ちがなえてしまいそうな弱い自分と対面し、その存在を否定するべきなのか、あるいは認め、受け入れて共存していって良いのかと
「弱い自分」 への対応の仕方に困惑したこと。
どんなに心の中で葛藤があろうとも、仕事場であり、私のプロフェッショナル性が問われるコートの上では、時には、何くわぬ顔でプレーを続けることもありました。
どんなに表面上は上手に取り繕ったつもりでいても、魂のこもっていないボールには躍動感がないのです。 コートの上にも不思議なことに、ぽっかりと穴が空いたような空虚感が漂うものです。
しかし、チームメートに助けられ、自分でもはい上がり迎えた決勝の朝は、実に清々しく、穏やかなものでした。 本当にこれから、優勝をかけた試合に臨むのだろうか、と思うほどの静寂が、チームの中に流れていました。
過剰な緊張感から生まれる静けさからはほど遠く、
無言のうちに、お互いの中に確認した、信頼感から生じた状態だったのだといま、思います。
ダイエーにとって、決勝の舞台は無我の境地となり、気がついたら、まだコートを立ち去りたくない、と思っていたであろうチームメートたちと私は、抱き合っていました。
ダイエー万歳!!
(デイリースポーツ'98.3.10)
ヨーコ・ゼッターランドのスポーツ東西見聞録より
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