Atlanta 1996 that night,She has written on the back of her right hand ,in japanise "Make everything possible"
春は野球シーズンの始まり 選手たちの体に注目
規格外れの魅力の持ち主 中国 郎平監督


時折、アメリカの友人たちに 「日本のどういうところが好き?」 と聞かれることがあります。 しばし考えた後、四季がはっきり分かれていることが好きだと答えると、少し不思議そうな顔をされます。

もちろん、アメリカでも東部や北部のほうでは、季節の移り変わりをはっきりと目に見ることができるのですが、むしろ自然現象よりも、日本人の生活や文化の中に密着した、それぞれの季節が生み出す独特の美しさに私はひかれている、と言った方が的確でしょう。
俳句の中にとり入れられた季語や、物に織り込まれた四季折々の花など、自然を鑑賞する楽しさだけでなく、身近にとり入れてとっぷりとつかってしまうぜいたくさ、優雅さは、ほかではそう見ることができないと思います。

四季の中でも私はとりわけ春が好き。
ほおをなでる冷たい空気の中にふとポカポカするものを感じると、歩く足どりまで軽くなる。
「旅立ちの春」 というように、新しいスタートを切るには最高の時ではないでしょうか。

今から7年前、91年の春は、私にとってまれに旅だった春となりました。
大学を無事に卒業して、就職先まで決まっていたにもかかわらず、1ヵ月も研修を受けないうちに 「じゃあねぇ」 とアメリカに向けて成田空港を後にしました。
慣れ親しんだ環境や、たくさんの友人、知人、そして
7年間ものあいだ私のバレーボールのコーチでもあった母のもとを離れ、すべての条件においてゼロからのスタートでした。

中継地のロサンゼルス空港に勇み足で降り立ったものの、巨大な空港の中をゴロゴロとスーツケースを転がして一人で歩いているうちに、だんだん心細くなってしいました 。
ひるんでなるもんかと強気に戻るも、結局不安で次の便が出るまで3時間もの間、ゲート前のいすにへばりつき、5回も出発時間の変更の有無を聞きに行き、早口の英語のアナウンスの中から 「サンディエゴ行き」 の単語だけ聞き逃すまいと耳をそばだてていた私の様子は、かなり殺気立ったものがあったと思います。

手取り11万の月給の中で家賃、車の経費など、やりくりはキツかったけど、何の雑音も聞こえてこない中で、バレーボールに没頭し、思う存分自己をアピールし、どこまでも挑戦し続ける毎日は、ようやく自分の道を自分の足で着実に歩き始めることができたんだという充実感でいっぱいでした。

人生においても、仕事においても、自分がその気になればいつでも新しいスタートが切れるんだ、なんて回想しつつ考えているうちに縁側でウトウト。
やっぱり、春が一番いいですネ。


(デイリースポーツ'98.3.24)
ヨーコ・ゼッターランドのスポーツ東西見聞録より

春は野球シーズンの始まり 選手たちの体に注
規格外れの魅力の持ち主 中国 郎平監督

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