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約1カ月近くにわたって開催されていたサッカーワールドカップは、地元フランスの優勝で幕を閉じました。 テレビで観戦しようと粘って起きていたのですが、睡魔との闘いにあっけなく敗れた私はビデオをセットし布団に潜り込みました。
翌朝もそもそ起き出し階下に行くと、待ち構えていた母が「ねね、どっちが勝ったと思う?」。私、「絶対にフランス」。母、「当たりィ。早くビデオ
見ようよ」。と、かくして母子二人で朝から世界最高のサッカー職人たちの繰り広げる技に見入ることになりました。
決勝がフランス対ブラジルの組み合わせになったのを知った時、私は地元フランスに優勝してもらいたいなぁという気持ちと、なぜかフランス
が必ずブラジルを破るのではないかという予感がありました。なぜ?と聞かれれば、ひとつは長年スポーツを続けてきた私の直感。データ的な
側面から見れば、決勝まで勝ち進んでくる両チームが対戦してきたチームがどのようなチームだったか、そしてどのような点数の取られ方をしているか
を見るとブラジルとフランス両チームの戦いぶりが、また決勝戦で起こり得るであろう試合予想図が、全試合を観戦できずとも想像がつきます。
「サッカー王国」といわれ、W杯2連覇を狙うブラジルは中堅どころのチームに対して1敗してみたり、明らかに実力的にみて格下のチームに
大量得点をして勝つも、相手にも大量得点されてしまったりといったように序盤からとても浮足立っているように見受けられました。 これに対してフランスは、毎試合確実に得点をし、何よりも相手に点を許さない。そして対イタリアでのPK戦を見ても分かるようにフランスの
サッカーはとても堅いと思うのです。決まらなかったシュートはゴールキーパーに取られはしたものの、はずしはしませんでした。 決勝の時、前半戦の2得点につながった2本のヘディングシュートは見事でした。しかしそこにつながったコーナーからのキック(パス)
の正確性はもっと見事でした。あれらのパスはおそらく高すぎても低すぎてもシュートするのは難しくなってしまうでしょうから・・・。
ビデオを見始めて5,6分もたったころ、時折アップで映し出されるブラジルの選手たちの表情から、ほんのわずかですがはっきりと読みとれる
ものがありました。「今日の自分たちはフランスに勝てない」と。ブラジルはフランスという敵と戦う前に内なる敵との戦いに苦戦しているように
私の目には映りました。「堅実」の言葉がピッタリの基礎の上に築かれた華麗なフランスのサッカー。うーん、Tres bien!
(デイリースポーツ'98.7.14)
ヨーコ・ゼッターランドのスポーツ東西見聞録より
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