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今まで数多くの海外遠征でいろいろな国に行くことができました。 訪れたのが一度きりの場所もありますし、毎年招待されて4、5回行くことができた国もありました。 先週、各国の通貨を集めていると言いましたが、実はこのほかにも集めているものがあります。 それは、それぞれのお国名物、あるいはその国を象徴するような小物です。
トルコではユニークな模様が施された銅製の飾り皿。スペインでは繊細な作りの傘を手にした女性のヤードロ。 ブラジルではコーヒー豆をかたどったネックレス等々。 初めのころは、結構スペースにゆとりがあったガラス張りのショーケースの中も、今では思い出の品が所狭しと並んでいます。
これらの小さな物がひとつひとつ違うように、その国に行くとやはり異なるさまざまな表情が見えてきます。 文化や生活様式、国民性、歴史的背景など、スポーツを通して浮かび上がってくるものがあり、納得したり、驚いたりします。 これらは試合を見に来ている観衆を見ていると感じます。
大学1年生の時、ユニバーシアード代表の遠征で北朝鮮に行きました。 日本とは国交がないため直接入国はできず、一度中国に入ってから首都の平壌に向け出発しました。 今でこそ少しは北朝鮮の様子がニュースで流れますが、当時はまったくといってよいほど情報がなかったように思います。 強いて言えば中学・高校時代に歴史の授業で日本と北朝鮮の関係を学んだ程度です。
実際に試合になった時、私は想像していた以上に日本は好感を持たれていないことを実感しました。
他の国に言って試合をする時に地元の人に応援してもらおうとムシのいいことは考えていません。 しかし、これだけ敵対心がむき出しの観客の中で試合をしたのは初めてのことだったので、ちょっとしたカルチャーショックを受けました。 試合の勝敗以上の、何かもっと根の深いものが存在しているように思えただけに、より印象深い遠征でした。
アルゼンチンでのパンアメリカン大会では、決勝でアメリカ男子とアルゼンチンが対戦した時、コートサイドまであふれ出した観衆がファイナルセットの間中、プレーに関係なく地元のチームを称える歌を歌い続けていました。 南米大陸国の熱い血は、こうした爆発力を生み出すのか、と会場にいた私も体中がザワザワする感じに襲われたのを覚えています。
もし海外でスポーツ観戦のチャンスがあればぜひ行かれることをお勧めします。 きっとその国の隠れた深みを見つけられるかもしれません。
(デイリースポーツ '98.9.27)
ヨーコ・ゼッターランドのスポーツ東西見聞録より
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