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あれは私が大学生のころだったと思います。 日曜日の朝、新聞に目を通していると読者の投稿欄のところでちょっと興味をそそられる内容を発見しました。 その記事をかいつまんでご紹介すると、次のようなものだったように記憶しています。
「野球の団体壮行会で選手があいさつをした時 『最後の大会を楽しんできます』 と言った。 そんな気持ちで行くなんてけしからん。センベツまであげたのに・・・」 と、それを投稿した方はかなりご立腹のようでした。 私はこれを読んで、もしかしたらこの方は一度もご自身でスポーツをしたことがないか、あるいはスポーツをしていても一度も楽しいと思ったことがないか、のどちらかではないかとちょっぴりカワイソウだな、と思ってしまいました。
スポーツの楽しみ方というのは何通りかあると思うんですね。 ひとつは見る楽しみ。 もうひとつはする楽しみ。 そしてスポーツをする楽しみもレクリエーショナル的な楽しみ方とプロフェッショナル的な楽しみ方、というように大まかに分類できるかと思います。 私自身は現在プロスポーツの選手として活動していますが、自分の仕事を楽しんでやっていますよ(もちろんクソおもしろくない日もある・・・)。
私のスポーツの楽しみ方は、最高の技術へのこだわり、勝負へのこだわり、緊迫したゲームの中での相手の裏をかくようなかけひきや、そこから生まれる緊張感の中に楽しみを見いだしています。 そして何よりも好きなのは試合のビデオを見ながらのミーティング。 いや、正しく言えば 「ディスカッション」 じゃなきゃおもしろくない。 たまに自画自賛会になる時も楽しいけど、やはり選手間で画面に映る相手チームの動きを見ながら、実戦になったらどういうふうに攻めていこうか、守備のシフトはどのように敷くか、あるいは個人の特徴とかクセとかを見つけ出したりする時はものすごくチームに活気があふれてくるし、そして何よりも選手自身が何をどうしたらいいのかしっかり自分の頭で考えるからきちんと内容も把握できる、というようなミーティングはすごく楽しい。
自分の意見、考え方をきちんと自分の言葉で伝える、そして話し合う。 日本の人はまだまだディスカッションに慣れていないのかなぁと感じる時が多々あります。 私は昔(何年前だ?)自分の 「意見」 を述べたら 「アイツは生意気だ」 と干されたことがあったけど、いまだ声を大にして意見を口にし続けています。 これは 「ディスカッション」 の域にたどり着くまで続くでしょう。
(デイリースポーツ '98.10.25)
ヨーコ・ゼッターランドのスポーツ東西見聞録より
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