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これはある大会でのこと・・・。
「すいませーん、一緒に写真を撮ってください」 と開会式を終えてロッカールームに戻ろうと、チームメートと歩いているとき、後ろから声をかけられました。
時間にゆとりがあったので、そういうときはなるべくファンの方たちの要望に答えようと 「ハイ、ハイ」 と振り向くと、そこには何ともカワイらしい女の子たち3人がキャッキャッとはしゃぎながら立っていました。 小学生ぐらいかしら? その割にはスタイルもいいし、ミョーにあか抜けている・・・。 と私の頭の中では、瞬時に色々な考えが駆け巡っていたのですが、何はともあれ、こういう子たちも試合を見に来てくれるなんて、うれしいじゃないの! と一緒にカメラに納まりました。
それから十数分後、にわかに暗くなった会場のフロアを照らし出したスポットライトの方を見てみると、先ほどのカワイ子ちゃんたちが飛び出してきて踊っているじゃありませんか! そう、彼女たちは大会を盛り上げるために呼ばれた芸能人だったのです。
ここ数年、バレーボール人気は下降線をたどっているせいか、大会ごとに人気のある芸能人、またはグループを呼んでイベントを盛り上げるのに協力してもらう傾向にあるようです。 バレーボールで観客を呼び込めないのなら、タレントで呼び込んでもらって試合を見てもらおうというプランなのでしょうが、この図式が納得でしないのは私だけでしょうか?
いつか試合前のオープニングでミニコンサートのようなことをやり、それが終わったら、今まで満員だった会場が約半分の人数に減ってしまった、なんていうことがありました。
いったい試合がメーンなのかコンサートがメーンなのか分からないような状態を見て、かなり情けなく思ったのを覚えています。
何もタレントを呼ぶのが悪いことといっているのではありません。 アメリカでもNBAやNFL(フットボール)のハーフタイムの際に、ショーをやったりコンテストを行ったりしているのを見かけますよね。 でも、これらはあくまでも余興であって、人々は試合を見に来ていますから、試合が終了するまで帰ったりするような光景はほとんど見られません。
日本でも試合の中に別のイベントを組み込むにも、もっと有効な方法があるのではないでしょうか?
タレントを見に来るついでに試合を応援してもらおうという安易なものではなく、競技の本質に触れて、その緻密(ちみつ)さやおもしろさを見る人に理解してもらうようにすること、これを踏まえたうえで試合を見てもらえるようになれば、勝敗にかかわらず、スポーツ観戦を楽しんでいただけるんじゃないかしらん?
(デイリースポーツ '98.11.22)
ヨーコ・ゼッターランドのスポーツ東西見聞録より
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