Atlanta 1996 that night,She has written on the back of her right hand ,in japanise "Make everything possible"
一線級で活躍するということは希少価値
指導者にはセンスより熱意が大切では


私は時々、神戸から東京まで気分転換に出かけていきます。大学を卒業してから8年が過ぎたものの東京での生活が長かったせいか慣れ親しんだ多くの場所はやはり東京が中心になってしまいますね。 学生のころからよくいく飲み屋さんがあってアメリカに住んでいた時分も日本に帰って来ると何はさておきまずそこへ足が向きました。 まあ、「心のふるさと」 とも言えるべき場所でしょうか。

数カ月前に久々にオヤジさんとグラス片手に語りあかそうかと思ってたずねていったところ先客がいました。 カウンター越しに交わされる会話からすると、どうも大学の後輩たちである様子。 しかし、私とその人たちとはまったく面識はありませんでした。 10人も入れば満員になってしまうお店の中では、面識はなくともいつしか会話が始まるのが常で、私もそのうちのひとりと少しずつ、たわいもない話をしていました。 

やがて私が、プロスポーツ選手として日本でプレーしていることに話が及んだ時、それまで口を開かなかったひとりが突然、 「ヨーコさんって、給料いくらもらってんすか?」 と質問してきました。 あっけにとられた私は 「時おり東京にこうして飲みに来れるぐらい」 と答えたものの、内心は (ナマエも知らんアンタにそんなこと言えるかい。アホタレ!) と思っていました。  

昔のことならまだしも今現在の収入のことを聞くなんてホント、失礼しちゃう。 もっともこのような出来事は私にとって初めてというわけではありません。 そしてスポーツ記者とかではない、ごくごく一般の人が収入のことに関して聞いてくる時に必ず共通していることがあります。 好奇心いっぱいの目と 「けっこうオイシイ生活してんでしょ」 という断定的な雰囲気があたりに漂うんですね。 おいしいお酒を飲んでいる時の話題にしてはセンスに乏しい、と残念に思う私が神経質すぎると言われればそれまでですが・・・。

毎年、この時期にはプロ野球の契約更新が話題になります。 年棒が何千万アップしたとか、何億に届いたとかと画面にうつしだされる数字だけを見れば仰天してしまいますが、私は決して高すぎるとは思っていません。 スポーツ選手が第一線で活躍できるのはせいぜい10年。 競技によってその年数はまちまちですが、15年も続けられる人はそうとうラッキーな部類に入るでしょう。 
この年数を見ると普通に就職をして定年まで働く年数のせいぜい4分の1ぐらいにしかなりません。 これもふまえて、高すぎると思わない理由について、また来週お話しをしたいと思います。


(デイリースポーツ '98.12.20)
ヨーコ・ゼッターランドのスポーツ東西見聞録より    

一線級で活躍するということは希少価値
指導者にはセンスより熱意が大切では

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